東洋医学の画像

ここが違う、西洋医学と東洋医学

「西洋医学」「東洋医学」という言葉をごぞんじでしょうか。両者は同じ「医学」という名前を持ちながら、根本的にルーツも考え方も異なるものです。ではいったいどのようなちがいがあるのでしょうか。

西洋医学とは、私たちがごくふつうに病院で接していて、目に見える確かなものを中心とした現代医学のこと。たとえば外から菌が入っていた場合には、その菌の種類を調べ、さらに殺すために抗生物質を投与するというような、わかりやすく説明のつきやすい医学ともいえます。

それに対して東洋医学あるいは漢方と呼ばれているものは、中国で生まれ、何十年もの時をかけて現代に伝わってきた医学です。現代医学になれ親しんだ今の時代には、あやしい民間療法のように誤解されるかもしれません。しかし民間療法ではなく、西洋医学とはちがった独自の理論体系をもった医学であり、むしろ何千年もの間に実際に効果のあるものだけが生き残り、不要なものや人体に対して有害なものです。

もっとも最近は「東洋医学」や「漢方」という言葉も一般の人たちにも浸透しつつあります。

ここで実際、東洋医学では体や病気をどのようにとらえるのが、考え方を簡単に説明してみたいと思います。

東洋医学の最大の特徴は、人間の体のバランスを重視するということです。人間が体のバランスをくずすとその隙間から病気が侵入すると考えます。逆にバランスがきちんととれていれば自然治癒力が高まり、病気も出ていくということなのです。

たとえば枯れかけている花を例にとって西洋医学とのちがいを説明してみましょう。なにかウイルスが感染していないが、虫がついていないかを調べ、そのウィルスや虫を殺す薬を散布する、というのが西洋医学です。

東洋医学では根の水の吸い上げがしっかりしているがなど、まずは花の基本的な健康を取り戻すことに力を入れます。そしてさらに日当たりや土壌の水はけなど、株の性質に合った環境を作るように導いていくのです。花全体のバランスがくずれているから病気が侵入するのであって、株自体が健康であれば虫も病気も自然にいなくなるものだからです。

東洋医学の漢方で妊娠中ももっとやすらかに

はじめての妊娠でわからないことばかりです。妊娠中のすごしかた、注意すべきことを教えてください。(8歳・主婦)

肌のトラブルとは少々異なりますが、最後に妊娠についてもふれておきましょう。妊娠中は薬の類は御法度と思われている方も多いでしょうが、漢方は妊娠中にも威力を発揮するのです。

妊娠・出産は、女性の一大イベントです。未知のことだけに不安になってしまう方もいらっしゃいますが、考えてみれば昔からみんなしてきたこと。女性ならば誰にでものりこえられるはずのものです。

妊娠というと、まず太ることを恐れてしまいがちですが、これは意外につわりによるものが多いのです。つわりでやせる方もありますが、逆に食べることで気持ち悪さがやわらぐタイプのつわりも多いのです(俗にいう「食べづわり」。そのためにどんどん食べてしまい、気づいたら産婦人科の先生にしかられるほど太ってしまった、なんていうことが多いのです。また、なんとなくだるく、疲れやすくなるために動かなくなり、太ってしまうこともあるよ

妊娠中の体調を少しでもよくしてあげたほうが、美容的な意味でもよいわけですね。そんな妊娠中の不快な症状にこそ漢方は威力を発揮します。西洋薬には妊娠中は使えないものが多いですが、漢方には安全に使えるものもたくさんあるからです。

妊娠中は、赤ちゃんに栄養をとられるため、血虚になりがちです。また、むくみやすく、水毒の傾向もでてきます。血虚と水毒の両方に効く当帰芍薬散は、妊婦さんにはとてもよい薬です。つわりやめまい、息切れ、つかれやすいなどの症状をとってくれるのです。またこの処方にふくまれる薬には、子宮筋の収縮をやわらげる作用があり、おなかのはりや流産の予防にも効果があります。ただし臨月になったら服用をひかえてください。出産のときは逆に筋の収縮が必要になるからです。

つわりの症状がとくにきつくて吐いてしまうような人には、小半夏加伏苓湯という処方が有名です。

また妊娠中に脚がむくんで静脈瘤がひどくなる方があります。これには桂枝伏苓丸が有効ですが、この処方には子宮筋収縮作用が多少あるので、漢方医と相談しながら使用してください。

十カ月におよぶ妊娠期間中には風邪をひいてしまうこともあるでしょう。妊娠中の風邪には桂枝湯や香蘇散などの処方がよく使われます。要は、少しでも気持ちを楽にしてすごすことが、きれいなお田さんでいるためのポイントなのです。